なぜ、マタニティ専用ウェディングドレスを作ったのか?お話します。
世の中に、妊娠中に結婚式を挙げる花嫁様がこんなにたくさん存在するのに、
世の中に、妊婦さんの体型を考慮して作られたドレスが無い?!
信じられないことですが、これは事実です。
「え?マタニティ用のドレスあります!ってパンフレットに書いていありますよ!」とか「いつも妊婦さんのドレスを準備していますよ。問題ありませんよとドレス店の人も言ってましたけど」とか・・・
まだ、結婚式を挙げる前のマタニティ花嫁様から聞こえてきます。
事実、それらのドレスは、「妊婦さんの体型を考慮して作られた」ドレスではありません。 元々は、「妊娠していない花嫁様のために作られた」フリーサイズのドレスを、
無理に合わせているだけです。
「それでも、いいです!デザインが好きだから♪」 お客様のお気持ちです。いいと思います。
「それでも、いいです!格安だから♪」いいと思います。お客様のお気持ちですから。
でも・・・なぜ、私はマタニティ専用のウェディングドレスを作ろうと思ったんだっけ?と考えた時、
「あ!そうだった。自分の娘がマタニティ花嫁になった時、世の中の<妊娠していない花嫁様のために作られたフリーサイズのドレス>では、ダメだ!!」と思ったんだった。
ブカブカになる。
いかにも妊婦さんという見え方になる。
・・・偏見に晒されることに・・・なる。
15年前、マタニティ婚は今よりずっとタブーでした。
徐々に世の中は変化し、今では「マタニティ婚」が普通に語られるようなっていますが。
世の中で、「マタニティ婚」が普通になっても・・・
やはり、マタニティ専用ウェディングドレスはほとんどありません!
ドレス店のスタンスは、15年前とほとんど変わっていません。
「妊婦さんには、妊娠前のサイズより大きなドレスで対応すればよい!」です。
「(大きな声では言えないが・・・)妊娠は自己責任。ドレスが間に合わせでも、仕方ない。」・・・って、本当にそうですか?
私は、「違う!」と思いました。
ドレス店にはもっと出来ることがあると考えました。
結婚式は一生に一度です。
お客様は、皆さんドレスについて素人です。
「どんなドレスが正解か」実はわからない・・・が現状です。
サイズが大きい、ブカブカの、「いかにも妊婦さん」というドレスを着せられても、
「よくわからない・・・」「素敵です!お似合いです!」と言われた・・・と。
ドレスの試着の時、「後ろ姿は見ましたか?」
先日のお客様の後ろ姿には「クリップ」が写っていました。
明らかにサイズが大きすぎます。ビスチェ部分のお直しは難しいです・・・。
お客様は、そのドレスを「楽だった」と仰いました。
そうですね、ブカブカですから。
でも、結婚式はドレスを着た状態で数時間過ごさなければなりません。
歩き回る必要もあります。立ったり座ったりも。
「クリップ」で留めなければならないドレスでは、どんどん下がって来て、着崩れてしまいますし、大きくなったお腹のウエスト切替位置が圧迫して苦しいです。
どうしたら、マタニティ花嫁様の【ドレス選び】をお手伝いできるかな?と考えました。
マタニティ花嫁専門ウェディングドレスショップ ジェイディでは、これまでの経験から、結婚式時体型予測®のサービスを行っています。苦肉の策です・・・。お客様にはショックなことかもしれませんが、現実を知ることで「ドレス選びの失敗」を回避することができます。
お客様に「妊娠していない花嫁様のために作られたフリーサイズのドレス」がなぜダメなのか分かって頂くため、そして、マタニティ専用ドレスのどこが違うのか実感して頂くために必要だと考えたからです。
今日のお客様は撮影をご了承下さったので、お客様のスマホで妊娠8ヵ月の体型予測の結果を撮影してお渡ししました。他店さんでは・・・多分技術的にできる方がいらっしゃらないのでは?と思ったからです。
マタニティ専用ドレスを持っていないドレス店で「大丈夫ですよ!2ヵ月後、ピッタリになりますよ!」とか言われた時は、「専門店で、これくらいお腹が大きくなると言われましたけど、本当に大丈夫ですか?」と写真や動画を見せてください。
どんな表情をされるでしょうか?
それでもニコニコ「(<妊娠していない花嫁様のために作られたフリーサイズのドレス>を)大丈夫ですよ。」と仰るならば・・・マタニティの知識、ドレスの知識があまりないのかも。
はっ!として動揺されたら・・・マタニティの知識はさておき、ドレスの知識がある方ですね。在庫のドレスでは無理だと分かっているからです。
顔色を変えずに、「弊社のドレスはマタニティ専用ではありませんが、大きなドレスで対応します。」と仰れば、プロですね。結果として「お客様の判断です。」という事です。つまり、「ドレスが思ったようにフィットしなくても、ご了承の上て契約されたので、結婚式の1週間前の最終フィッティングでお気に召さなくても、契約は契約です。」という事です。
長々と書きました。すみません。
実は今日、NHK BS1でAPU(立命館アジア太平洋大学)の出口学長の『最後の講義』を観ました。
結びはこうです。
「誰も行ったことがない場所へ行け。誰もやらなかったことをやれ。」です。
コロナ禍で、先行きが見えない中、私も迷わないと言えば嘘になります。
今日出口学長のお話を伺いながら、自分の進むべき道を再確認した形になりました。
「マタニティ専用ドレスがこの世に無いなら、私が作る!」です。